今回私はNZのダーガビルという所で約5ヶ月間ファームステイをしてきました。その前に2週間のホームステイと1ヶ月半の小規模ファームステイを体験しました。どの家庭も場所も日本とは全く違った経験と生活を送ることができました。
先ずNZの印象は、都会は海とヨットがあり、昼時には大きな公園で昼食を取っている社会人や学生がいて、のどかだなと思いました。ただ、都会は外国人が多いのは見慣れない光景なので、圧倒されました。車で30分も走れば、ただ緑の丘が続くばかりで、夏の道東を思わせる光景でした。どの家も一階建てが多く、日本のように上に部屋を増やすよりも横に広く、それに広い庭付きの家が多いという印象です。
ファームでの仕事は搾乳がメインで、365日朝と夕方に行いました。朝5時半に犬をバギーの後ろに乗せて、牛を集めに行きます。まだ暗い中、星空を見上げながらゲートを開け、犬が大回りして走って行き、1分もすれば180頭の牛が搾乳場へ歩き出します。耳を澄ますと、犬の鳴き声、牛の足音、そして遠くの方(隣のファーム)からも犬の鳴き声やバギーの音が聞こえます。搾乳場には、私かオーナーが、ミルクタンクの洗浄と搾乳の準備をして待っています。牛を集めるか搾乳の準備かは、毎日どちらかが交代でやっていました。
牛は1年中放し飼いで、約1~2haで囲ったスペース(パドック)に朝晩過ごさせます。パドックは約80ヶ所毎日違った所を使うことで、約1ヵ月後には食べた草がまた伸びて、順番に使うという方法を取っていました。
搾乳を終えた牛は、各自今日の食事(牧草)を求めて、パドックへ歩いて行きます。搾乳を終え、掃除をして、パドックのゲートを閉めて私達は朝の仕事を終えました。午前・午後の仕事は、冬は忙しく、夏はほぼありません。
冬はサイレージ、ハイの給餌、牛の移動、出産などと、ほとんど分刻みじゃないか!!と思う程忙しかったです。逆に夏はというと、他に何かやることないのか?と言える位時間に余裕がありました。でも、機械の修理、フェンスや杭の取替えなど、次の年に向けての仕事をやりました。
夕方の搾乳が終わると、ストーブのための薪割り、犬と豚に餌をやるのが私の仕事でした。そして、夕食を食べ、テレビを見たり、話をしたりして、だいたい9時には寝ました。
ファミリーは3人の息子は既に独立しており、オーナーと奥さんと私で暮らしていました。奥さんは酪農の本を書いていて、外の仕事はオーナーと私がやっていました。フリータイムは土日と朝夕の搾乳の間の時間(約6時間)にもらえました。私は歩いて20分程の海へ犬と一緒に散歩したり、ビーチをバギーや車で走ったりしていました。ボディーボードも一度やり、隣のファームで乗馬も体験しました。
冬の忙しい時期は、朝食前に日中の仕事をやってしまい、多少短い休み時間でしたが、必ず毎週末休んでいました。毎年オーナー夫妻は、10月か11月に1週間から10日間休暇を取って、海外旅行に行ったり、別荘でのんびり過ごしているそうです。その間はヘルパーの人に牧場を任せていました。ファーマーとして、何があろうと週末は休み、毎年何日かは休暇を取るという習慣は、日本人として学ぶべきことだと強く思いました。
ホストにはとにかく親切に大事にして頂きました。悪く言うと「しつこい」位ですが、私にとっては、「こんな事まで気にかけてくれるのか?」と思うほど優しい人達でした。どこに行くにも「一緒に行くか?」と誘ってくれたり、毎朝のあいさつでその日の体調を気遣ってくれました。私が仕事を任される時に理解できない場合は、地面に字や絵を書いてくれたり、わざわざ家に戻って紙に書いてくれたりしてくれました。
オーナー夫妻は動物に対してとても優しく、常に先の行動を考えていて、すごく効率がよかったです。何といっても犬への特訓には驚かされました。あのオーナーの下で1年もすれば、立派な牧羊犬になります。たまに私より犬の方が役立っているんじゃないかと思うほど働き、犬には助けられました。
牛の他に豚、鶏、肉牛を飼っていて、卵は毎朝集め、豚と肉牛はある程度育ったら、自分達で解体して約半年分の食料にしていました。
現地日本人スタッフの方々には本当にお世話になりました。右も左も分からないまま空港に降りた時から、ファームの紹介、オーストラリア旅行の手配、ほんの些細な事でも丁寧に教えてくれて、ここまで不安なく海外生活を送れたのは、カウンセラーと現地スタッフの方々のお陰だと思います。現地ではいい事も悪い事もありましたが、無事帰国できた事、そして数多くの予期せぬプラスになる経験ができた事を感謝致します。
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